禁煙する意味
昨今、でもないか、この10年、喫煙者に対する禁煙者の不寛容さはとても不快である。
とりわけ健康増進法施行後の日本の喫煙者に対する態度は、およそ恣意的かつ一方的に決められた法の運用(結局は担当者が喫煙者かそうでないかよって決められているとしか思えない)に、諾々と従うこの国の人々の精神性と、おそらくその裏腹に隠れているであろう精神的空虚を思うと、あらためて、この国は右にならえの均一で全体主義的な社会なのだと思う。
ということで意地になり吸い続ける、という選択肢はあるが、煙草を吸わない方が事実上体によいのだから仕方がない面がある。先々週の日曜日。突然の春の嵐の中喫煙場所への遠くて長くてつらい道を歩いているうちに、ニコチンに行動を支配され突き動かされている自分がいやになり一年ぶりに禁煙を決意する。
以前と比べてニコチンパッチはあるし(二コレット、あれは短期間なら良いが私にはちょっとニコチンが強すぎるし口腔粘膜が荒れ歯肉が痛んだ)
分煙化のおかげで通常の生活圏で紫煙を目にすることもめっきり減り、喫煙所は遠いので足を向けなければ煙草をすう場に行き会わず、以前と比べて随分と禁煙環境がととのっており、楽に禁煙ができるのはよいことだ。
禁煙の利点はなんといっても時間が節約できる点にある。 通勤時間は片道約10分短縮。一回に喫煙所まで行ってすって帰って15分は使っていたからおそらく一日に90分、もしかするとなんと2時間位は時間の無駄がなくなっているはず。
FRISKの消費量も減り、飯はうまく、においを気にすることもなく、喫煙所を常に頭に入れておく必要もない。素晴らしい。
その代わりとても頭の回転が悪くなってしまった
やたらと眠くなる、集中できない、仕事が遅い。人の話を聞いていない
変な夢をやたらと見るようになり、現実との区別がつかない。
今日あたりから煙草なしで集中するこつ、がつかめてきた。
夜パッチをはずすと変な夢も減ってきた。
がしかし、まだパッチはてばなせない。
パッチを張ると調子が良いのがこまったものだ。
あとは飲み屋にはまだちょっと怖くていけない。
やっと禁煙をカミングアウトする自信が出てきた。
一度止めたと吹聴した後我慢できずに吸っていたら信頼が一気になくなり友人とのなかがぎくしゃくして以来禁煙したことは怖くてなかなかいえないのだ。
一体人は一生に何回禁煙すればいいのだろう。九死虫を思い出した。
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八たびの死を死に、いよいよ九度めの、最後の死を迎えるにあたって、わが九死虫類の同胞の中で、九たびの生死をいかに全うすべきかに悩む者たちのために、これを書き残すことにした。